あなたは、マジックを知らない人に、自分がマジックをしている事を話しますか?
僕はタイミングがあれば、例外なく話します。
なぜなら僕の生活の90%はマジックで、マジックを知ってもらわないことには、僕を知ってもらえないから。
その9割を隠しつつ、深い人間関係を築いていくことは、あまりにも困難です。
あなたは生活の90%が不透明な人、つまりは何をやってるのか分からない謎な人と真の意味で仲良くなれますか?友人として、知人として、あるいは恋人としても、それは厳しいという人がほとんどだと思います。
もちろんこれは極端な例です。マジックが9割の人なんてそうそういるもんじゃありません。
ちなみに、もしそういう方がいらしゃれば、是非お会いしてみたいのでご連絡下さい。
ごめんなさい、本題に戻ります。
この例では90%でしたが、50%だろうが20%だろうが、あるいは5%であろうが、その事を隠せばそのぶんあなたは人間関係で損をします。
高校生の頃の僕にとってのマジックは、ちょうど生活の20%ぐらいを締めているものでした。と、同時にその頃の僕はバレーボール部員でもあり当然、毎日練習がありました。
ある年末の事です。
マジックに熱中し、ファイナルズで勝ちたいと思った僕は、バレー部の練習を休み、毎日ファイナルズに向けて練習する事を決意しました。
そしてその事を、部員達に告げると、
「うわぁ、カードで練習休むのけぇ?」
「ええっ、お前遊びと部活どっちが大事なんだよ!」
「ききじきwww」
等、いかにも高校生らしい対応をされましたが、情熱を持ってさらに説明すると、
「きっと今の友晴くんにとっては一番大事な事なんだって、それってホント人それぞれだよね。みんな仲間なんだから応援してあげっぺよ。ねっ^^」
というマネージャーの一言からはじまり、ついには部員全員の理解を得る事に成功しました。
そしてそのファイナルズで優勝する事ができ、その後は部の練習、試合にも参加し、良好な人間関係を築けました。
もしもあの時、仲間にマジックの事を伝えていなかったとしたら今の自分はありません。
バレーボール部を辞めていたかもしれないし、両方とも中途半端になってしまっていたかもしれません。
他の例も挙げましょう。
世界を獲った男、三原槙仁氏をはじめとする、会社員プロプレーヤー達からは、
「会社の上司にマジックしてるの言ったら、海外戦行く時仕事休むの楽になったよ、今ではプロツアー行くのでこの日休みます!でOK。」
「会社でマジックとかプロツアーとかカミングアウトしたら毎回行けるようになった。」
といった話を聞く事があります。逆に、言ったら悪い方向に向かったという話は聞いた事がありません。
また、週末よく大会に出ている一般プレーヤーの友人はある時、恋人から不明な時間を疑われ、マジックについて説明したら、疑いもなくなり、より深い付き合いになったと聞きました。
同じようなケースで、
「ふーん。じゃあさ、あたしもそれやってみる♪」
と言って恋人もマジックを始めたという例もあります。
ハッキリ言って、マジックを隠しているあなたは損をしています
上に書いた例以外にも、マジックを伝える事にはメリットがあります。
伝える事で、マジック仲間が増える可能性がもの凄く上がります。
伝えた相手が実はマジックをしている人かもしれないし、ルールが難しくて一度は辞めたけどまたやってみようかなという人が出てくる可能性があります。
さらに、あなたの話を聞いて興味を持ち、新たに始める人がいるかもしれません。
そうなったらそれはあなたにとって、そしてマジック界にとっても大きな収穫となります。
このゲームにおいて、トーナメントに出る人も、カジュアルに楽しむ人も、
仲間が多いのはとてもプラスな事です。
マジックを伝えない事で損をする。マジックを伝える事で得をする。
これは理解していただけましたか?
中には、何かしらの事情で自分には当てはまらないという方もいるかと思いますが、
大多数の方に当てはまる事だと考えています。
相手がこれから持つマジックに対する印象は、あなたの伝え方次第
それでは、実際にどういった伝え方をするのが良いのかという事を話していきます。
どんな事を話す時でも同じですが、一番大事なのはあなたの伝え方です。
もちろん、あなたという人間がどう評価されているか、もし相手が初対面の方ならば、第一印象はどうかという事も関わってきますが、よほど酷くなければ大丈夫です。
マジックは世間一般での認知度がまだまだ低い為、難易度は優しくはありませんが、コツさえつかめば大丈夫です。厳しくはありません。
では、実際に伝え方の例を挙げて話を進めていきます。
「マジックはプレーヤーが魔法使いになって戦い、ライフ20点を削りあうゲームなんだ。デッキ組むのとかめちゃ面白いんだよ。そんでさっ!ライブラリーアウトさせた時の優越感がたまらないんだ!」
はい。大間違い。悪い例を最初に出してみました。
問題点を列挙します。
【1】魔法使いの下りですが、第一声では止めておいたほうが無難でしょう。
なぜなら魔法使い=気持ち悪いというイメージを持つ人が少なからずいるからです。
トンガリ帽を被り、うひょひょひょっと笑うじい様は、きっと皆さんの記憶の片隅に住んでいるはずです。
【2】ライフ20点。将棋を知らない人に駒の数や、持ち時間から伝えますか?
【3】デッキ、ライブラリー等の専門用語はもってのほかです。意味が分からない単語が多ければ多い程、その話に興味がなくなり、伝わりにくくなります。英語がほとんど分からない人が、英語の本が読めないのと一緒です。
伝える時に大事なのは、
聞き取りやすくハキハキと話す事、分かりやすく話す事、うまくまとめる事などありますが、
相手が最も興味を持ちそうな部分から話すのが最重要事項です。
特に、世界を動かしている「人」や「お金」はほとんどの人が興味を持っている事がらです。
「人」については幸い、マジックが凄い理由の最上位に、友人、知人の増え方がもの凄いという部分があります。トーナメント会場に行けば、そこは常にオフ会やパーティーのようなもの。
色々な人と出会えます。
「お金」で言っても、賞金があるゲームという事実は多くの人の興味を引きます。
他にも、かなり面白いゲームである、旅ができる、プロが存在する、対人関係や、英語の勉強や、投資の勉強になるなど、マジックには魅力的な要素が沢山あります。
とにかく、最初が大事です。相手が興味を持ちそうなアピールポイントから入りましょう。興味を持って聞いてさえ貰えればマイナスにはなりません。実際にマジックは素晴らしいのですから。
最後に、皆さんがマジックを伝える際にすぐにでも使える例をiいくつか紹介しておきます。
~僕がやってるマジックというカードゲームは
「日本中、世界中に人脈をつくるツールとしてかなり優れている上、凄く面白いゲームです。」
安定プランその1。
~僕がやってるマジックというカードゲームは
「ファンが多くて、賞金が出る世界大会も開かれ、プロも存在するゲームです。」
安定プランその2。
~僕がやってるマジックというカードゲームは
「まだ15年しか歴史がないのですが、世界中にプレーヤーがいて、賞金大会も毎週のように開かれています。」
ちょっと堅そうな人に対しては、「15年の歴史がある」という事を謙虚に提示。
~僕がやってるマジックというカードゲームは
「友達が沢山できる上、とても面白いゲームです。」
安定プラン1を柔らかくしたもの。
~僕がやってるマジックというカードゲームは
「将棋、麻雀と同じく、凄く頭を使うゲームです。ただ、使えるカードの種類がどんどん増えていくので常に新鮮な事が、それらにはない特徴です。」
定番。ゲームが好きな人に対して良さそうです。
僕が今回、このテーマで書かせていただいたのは、
よくある、マジック言う派?言わない派?という話題に常々疑問を感じているからです。
個人的には「言う」の1択だと考えていますので。
自分が好きでやっている事をなぜ伝えないのか。
マジックを伝えない事で損をする。マジックを伝える事で得をする。
という事についての考えは、書いた通りです。
マジックは教えてくれました。常に期待値が高いプレイをしていく事で勝利に近ずく事を。
実生活でも期待値が高いプレイをしてみてはいかがでしょう。
そしてもし、日本中のプレーヤーが全員、マジックについて話す事にブレーキを持たなければ、再びマジックブームになり、日本のマジック人口が大きく増える事も夢ではありません。
そうなれば地方の大会だってもっと人が来ます、都会はもっと盛り上がります。
かつては故郷の福島県いわき市ですら、60~80人来る大会がありましたが、
今では帰省した時マジックをする仲間、場所は完全になくなってしまいました。
とても寂しく思います。
伝えてください あなたのために マジックのために
齋藤友晴
テーマ:Magic:The Gathering - ジャンル:ゲーム