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トーナメントで勝つ為に大事なコト【第3回】マジック環境

僕が普段マジックをする場所は東京です。

8年前、18才の時にジュエリー&アクセサリーの専門学校に通う為、上京してきました。
と、言うのはぶっちゃけ建前で、本当はもっと熱いマジックがしたい!と思って東京に出て来ました。
ごめんなさい父さん。

東京はトーナメントが多い、プレイ人口が多い、そして、強い奴が多い。
この事は、田舎のマジック大好き少年にとっては大きな憧れでした。
そして、実際に沢山のトーナメントに出て、沢山のプレーヤーと出会い、強い奴らと沢山マジックしてきました。
僕がプロプレーヤーとしてやっていけてる理由を考えると、これはかなり大きな要因だと思います。
良い環境でマジックをしてきた事によって勝てているわけです。

今回のテーマは環境です。

あなたがどんなトーナメントに勝ちたいのかは分かりませんが、勝つ為にはよりよい環境でマジックをする事がとても大事です。
僕はスポーツ漫画等でよくある、いわゆる「ローカルなチーム」が強い奴集めて良い環境でやってる「王者チーム」に立ち向かっていき、最後には勝利するという流れが好きです。
そこには努力や根性があり、そして、勝つ為、強くなる為に様々な工夫をする等のプロセスがあるからです。
そういった漫画は僕達にとても大事な事を教えてくれます。
しかし、「王者チーム」が同じ事をしたならどうなりますか?
大概の場合、もともとの強さ、環境分のアドバンテージがさらに生きて、圧倒的な差が生まれてしまうと思います。

この不利を覆すには、やり方や気持ちではなく、そもそものマジック環境を良くする他ありません。
そこで、皆さんの環境が良くなるような方法をいくつか挙げたいと思います。

【案1】上京する

とにかく強くなりやすい環境!
それを求めるなら、東京(関東)でマジックをするのがベストです。
すでに関東にいるという人はスルーして下さい。
世界中の都市全て含めて考えても、今のところ僕がトーナメントで勝ちたいという理由で東京を出る可能性はありません。
毎週末トーナメントがあります。沢山のプレーヤーがいます。日本のプロプレーヤーの8割は関東在住です。
しかし、住む場所が変わってしまう話というのは、現実的には厳しい人が多いと思います。
なにかの機会に無理なく上京できる人や、本気でプロツアーで優勝したいという人のみオススメです。


【案2】今よりもマジック的に優れた場所に住む

マジック人口が多い場所や、マジックプレーヤーが集うカード屋さんの近くに住むという案です。
プロツアー、グランプリで勝ちたいという場合、【案1】には劣りますが効果はありますし、地方の特定のトーナメントや、PTQ、GPTで勝つのが目標という場合はオススメです。
実現度は東京に限定してないぶん高いと思います。
それでもまだ、なかなか難しい話ですね。
でもまだまだ大丈夫、他にも手はあります。


【案3】積極的に遠征を行う

なにも住む場所を変えなくても、遠征をうまく使って練習するという方法もあります。
プロプレーヤーの中でもこの方法で上手くいった実例があります。
これはその中でも大きな例。現在5年連続でPOY(プレーヤー・オブ・ザ・イヤー/年間最優秀選手賞)を獲得している日本人選手5名のうち、2006年のツムケンと2008年のナカシューの2人は、獲得した年に何回も関東に練習の為遠征して来ていました。他の3人はそもそも関東在住でした。
もちろん、通常は遠征先が必ずしも関東である必要はなく、例えば三重県で一番になる為に、名古屋に遠征して腕を磨く事だって充分に意味があると思います。


【案4】MO(マジックオンライン)を利用する

いつでも、どこにいても、パソコンと回線さえあれば好きなだけマジックができます。
MOには世界中のマジック好きが集まってきます。
そして、日本のトーナメントでは見ないデッキに出会ったりする事もあるのがメリットです。
ドラフトがやりたい時もいつでも8人集まります。
MOを利用するのに必要なのは、クレジットカードと少しの英語力。古くないパソコン。
英語は分からなくても各種翻訳サイトを使えばなんとかなりますが、パソコンに関しては、MOが充分な速度で動くものを用意して下さい。動きが悪くて余分な時間がかかってしまうと損です。まあ、最近のパソコンならほとんど大丈夫だとは思いますが。


【案5】今ある環境を向上させる

それぞれ数に差はあると思いますが、あなたにはマジック友達やマジック仲間がいて、マジックをする場所があって、それがあなたの現在のマジック環境だと思います。
それをより良いものにするというのは、一番シンプルながらも、できる事は色々あると思います。
例えば・・・新しいやる気のある人が入ってこれる状態ですか?また、そういう人を積極的に探していますか?
良い人が多ければ多い程当然、環境は良くなります。
例えば・・・マジックをする場所にテーブルとイスはありますか?
なければ皆でお金を出しあって購入する事を検討してみてはいかがでしょう。
練習はなるべくトーナメントと同じ姿勢でやるほうが効果的です。


など、他にも色々あるとは思いますが、僕がすぐ思いつくのはこんなところです。
「情報ゲー」や「人との繋がりゲー」も環境といえば環境ですが、
今回はあくまでもベースとなる普段マジックをする環境についてのお話でした。

今ある環境でどれだけの事が出来るか

これはとても大事な事です。
しかし、その前に、

自分のマジック環境をどう良くするか

を考えてみて欲しいと強く思います。


ちなみに、今のマジック界にはこの文の冒頭に出てくる、
「全てをやりつくしている状態の王者チーム」
のようなプレーヤーはいないと思います。
プロ達も、それぞれができる範囲で、できる事をやっているといった状態です。
まだ誰も限界までやれてません。全体に対して強い人とか弱い人がいるだけの状態です。

つまり、トーナメントに勝ちたいあなたが、環境構築からしっかりやっていけばいくらでもチャンスはあります。

皆さんがより良い環境でマジックが出来る事を願っています!

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トーナメントで勝つために大事なコト【第2回】楽しむコト

「楽しいっ!」

この気持ちは物事に取り組む上で一番のエネルギーになります。


仕事だって恋だって部活だって、楽しんでやってる人のほうがいい結果が出やすいですよね。
僕は心からそう思います。
逆につまらないって思いながらダラダラやっていると本当に結果が出にくい。
このことは、多くの人が生きてきた中で分かっていると思うし、
世の中の多くの人が言っている事なので特に深くは語りません。

で、今回のテーマは「トーナメントマジックでも楽しむ事は大事」です。

まず前提として、トーナメントプレーヤーの皆さんはトーナメントに出る事が好きで、トーナメントが楽しいと思っている人がほとんどです。その上で、勝ちたいと思っている人はそれなりに多い。
で、その気持ちが大きければ勝つ事に向かってだんだん真剣になっていきます。
必死に練習しまくって、デッキを選んでorつくって、本番ではミスをしないようにします。
ここで問題が発生します。
みんなが同じ力量なら、トーナメントで勝つには、トーナメントを一番楽しんだ人が有利かもしれません。
ですが、マジックのトーナメントで勝つ為には、トーナメント中に何が出来るかということより、どれだけ良い準備が出来ているかということのほうが重要になってきます。
つまり、準備期間を楽しめるかどうかという事もとても大事です。

これを裏付ける事はないかと思い返してみると、ありました。
「この環境クソだよ!」
その時のそのフォーマットを否定するような発言。
こんな発言を聞いた事はありませんか?
僕は沢山聞きました。自ら言った事も何度かあります。
そんな時のトーナメントを振り返ってみると結果はすべて負けでした。
実際に、今回のこの種目は素晴らしい!ウィザーズやるなあ!という事があれば、
ちょっと今回の環境はやばいだろ・・・という事もあります。
ただ、トーナメントで勝つという目的に対して「この環境クソだよ」と叫んでしまう事は何の得もありません。そんな事を言ってしまえば当然楽しくなく、自分のモチベーションが下がり、仲間のモチベーションにすら影響します。なので、僕は金輪際言わない事にしました。
そんな時はこう考えるといいと思います。
みんながクソだって思うような環境で解答見つけたらマジ有利!よし、やったるぞ!
とか
これは久々に凄く難しい環境だ。楽しい♪
とか。物事を楽しむ為に大事なのは捉え方です。

また、良いデッキができなくて詰まってしまっている時にも同じ事が言えます。
良いデッキができなくて「苦しい」と思わずに、「難しい」=「楽しい♪」
と思うようにしたほうが得です。

より、トーナメントマジックを楽しむ為にオススメなのは、同じぐらいの実力の友達や仲間と試合結果を競う事です。もう現役ではないけど、森勝洋というライバルがいたからこそ、僕はここまでマジックにどっぷり浸かっているし、強くなれたと思います。
他には、レーティングに注目し、それをどんどん上げていこうとする事なども楽しい要素のひとつです。

ちなみに僕はそもそも準備期間からトーナメントが終わるまでの過程がもの凄く好きです。
なぜなら本当に奥が深いから。
これだけマジックやりまくってるのに100点を出せたトーナメントは未だにありません。
これは、運以外のすべての要素の合計点数で、満点は自分が思う人間の限界に設定しています。
無数の選択肢を全て制して、いつか100点を出した上で優勝してみたい。
マジックは本当に100点が出ずらくて凄く楽しいです。これが大きな原動力になっているのは間違いありません。

楽しいほうが勝ちに近い。
だから今以上に楽しむ、さらに楽しめるように工夫する。
こうしたほうがいいのは分かっていただけたと思います。

それでも楽しめない時は来るかもしれません。
不運が続いて全く勝てなかったりとか、自分が下手くそ過ぎて嫌になっちゃったりとか。
そしたらいっその事マジック辞めちゃいましょう!
5年前ぐらいに実際、負けまくって楽しくなかったので辞めた事があります。
辞めた後は今までマジックしてた時間、仲間と酒飲んだり、麻雀したりパチスロしたりしてました。
結果・・・たった2週間で復帰してました(笑)
そう、辞めてもどうせマジックより面白い事なんてそうそう簡単にはないのです。
復帰後は、自分はやっぱりマジックが大好きで、凄く楽しいんだなって事がハッキリし、今まで以上に大好きになったので辞めて良かったと思ってます。
そうそう、なにも、マジック自体を辞めるのではなく、トーナメントマジックを辞めてカジュアルマジックのみにするとかでもかまいません。苦しくなったら一度トーナメントを離れてみるのはアリです。

トーナメントに勝ちたい皆さんが、楽しみながら勝ちに近づき、
その先にある本当の楽しさを共有できる仲間が増える事を願っています。

思いっきり楽しんでいきましょう!

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トーナメントで勝つために大事なコト【第1回】集中力

こんにちは、プロプレーヤー齋藤友晴です。
最前線でマジックをしています。

突然ですが、この場所で不定期連載コラムを始めます。
タイトルの通り、トーナメントに勝つ為には何が必要なのか、何をすれば良いのかを、
要素別に分けてお話していこうと思います。

そんな事したら自分が勝ちにくくならない?
そういった疑問も出るかもしれませんが、その場合こちらは問題ありません。
色々ありますが、この記事を書く一番の目的は自分のマジック環境をこの国ごと良くしていく事です。
実際に良くなるかは分かりませんが、何だって行動をしなければ始まりません。
また、現在の自身の考えをきちんと認識する事で勝率UPをはかるというのも重要な目的です。

まずはじめに言っておかなければなりません。
このコラムはトーナメントプレーヤーが対象の、受けが狭い記事です。
少しでも「大会で勝ちたい」と思っている人に読んでいただければ幸いです。
頑張って書いていきます、よろしくお願いします。


第1回 集中力

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どんなに強いデッキを使っていても、どんなにプレイングについて理解していても、
その力を発揮できない事には本番では勝てません。
100%の力を出す為には、集中力が大事です。

正直、この「集中力」には、もともとの力に個人差があります。
ほんのひと握りではありますが、あらかじめとても高い集中力を持っている人がいるように思います。
ですが、ほとんどの人は十分な集中力がない状態から始まるわけで、
どこで差が出るのかと言えば、どれだけ集中力を鍛えられるか、
集中力切れに対しての対策ができているかというところだと思います。
自分のデッキパワーを高める事や、苦手なデッキを対策する事ととてもよく似ています。


集中力を高める

僕が特に有効だと思うのは本番だと思って練習する時間をつくる事です。
もし、課題が集中力を高める事だけなら常に本番だと思ってプレイしたほうが良いのですが、デッキの動きを見たい、調整したい、このマッチアップの勝率を知りたい等の目的も絡んでくると効率が下がる為、なかなかできません。なので、あえてそうゆう時間をつくるというものです。

また、これは本の受け売りですが、本、映画、テレビなどを見る時に、見た後に第3者に内容を説明できるようにする事を常に意識するというのも有効です。見た後で説明しなければならない場合、要点を押さえないとならないわけですから、当然集中して見ます。
これが癖になってしまえば、マジックにおいても場の重要な情報を見落とすような事はかなり減ります。

集中力を高める方法は他にも色々あると思いますが、いずれにしても1日や1週間で身に付くものではありません。地道なトレーニングをしてじわじわ上げていくという感じです。
頑張っていきましょう。


集中力切れ対策

どこまで集中できるかだけじゃなく、どれだけ集中力を切らさないかという事が大事です。
全く集中できていない状態だとミスが頻発し、当然勝ちにくくなります。
そこで、自信を持って勧められるのが、自分流の集中しなおす行為を身につける事です。つまりは、「帯を締め直す」事と同意のなにかを身につける、という事です。
うるさくて迷惑がかかる(可能性がある)ので全くオススメできませんが、僕は頬を強く叩く事で集中しなおしています。正直なところ、キャラだから続けているという側面もありますが(笑)
また、天井を見上げて深呼吸をする事も、よくやっています。
これらには、1度盤面から目を離す事で場が広く見えるようになるというメリットもあります。
ラウンドの合間の喫煙も、気持ちを切り替える上でかなり有効に働いていますが、当然オススメはしません。老後に友達とお茶飲みながらビンテージで遊べる可能性が下がります。

とにかく、何でもいいので自分が集中し直す為の行為を身につけておく事を強くオススメします。
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集中力が切れやすいのはどんな時か

いつ問題が発生しやすいかをしっかり認識しておく事で、対処はしやすくなります。

・勝った!と思ったその瞬間。
・ミスって負けた次のゲーム
・ミスって負けた次のラウンド。
・事故って負けた次のゲーム。
・事故って負けた次のラウンド。
・何らかの理由でイライラしている時。
・試合以外の事について考えている時。

こんな時は、集中力が切れてミスをしやすい。
これらのうちのいくつかに対して身に覚えはありませんか?
全部あったという人も少なくないのではないかと思います。

「あんなミスしたらマッチ負けて当然だよなー」

こんな言葉を良く聞きます、僕も以前は言っていました。
理論値だけで考えると、もしミスをして1ゲームを落としてしまったとしても、
それはその1ゲーム分のマッチ勝率が下がるだけであり、絶対にその域を出ません。
ですが、実際にはそれ以上にマッチ勝率が下がっている人が多いでしょう。
それは、集中力の断絶により自ら期待値を下げてしまっているから。
「こんなミスやったんだから負けるだろうなー」
こういった考えは止めたほうが圧倒的に得です、止めたほうが勝ちに近ずきます。
誰でもミスはします。僕なんてこの前、マナがあったのに《茨異種/Thornling》を破壊されました。
とりあえず起こってしまった事は気にせずに、前出の自分流の集中しなおす行為で切り替えてみてはいかがでしょうか。

マジックは素晴らしいゲームです。
今のところ、僕は人生賭けちゃってます。
ですが、ミスって負けても死ぬわけじゃありません。
人様に迷惑がかかるわけでもありません。

少し肩の力を抜いて、前向きにいきましょう!


第1回の「集中力」はこれでおしまいです。
今回の記事を見て、こんなの当たり前じゃんって思った方もいるかと思います。
何回かにわたって書いていく中で、色々な考え、自分がやっている事等を、
どんどん出していこうと思っているので、良かったらまた見てやって下さい。

次回第2回のテーマは「未定」です(笑)
書ける時に、書けるものから書いていこうと思います。
それではまた


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マジックを伝える

  
あなたは、マジックを知らない人に、自分がマジックをしている事を話しますか?

僕はタイミングがあれば、例外なく話します。
なぜなら僕の生活の90%はマジックで、マジックを知ってもらわないことには、僕を知ってもらえないから。
その9割を隠しつつ、深い人間関係を築いていくことは、あまりにも困難です。
あなたは生活の90%が不透明な人、つまりは何をやってるのか分からない謎な人と真の意味で仲良くなれますか?友人として、知人として、あるいは恋人としても、それは厳しいという人がほとんどだと思います。
もちろんこれは極端な例です。マジックが9割の人なんてそうそういるもんじゃありません。
ちなみに、もしそういう方がいらしゃれば、是非お会いしてみたいのでご連絡下さい。

ごめんなさい、本題に戻ります。
この例では90%でしたが、50%だろうが20%だろうが、あるいは5%であろうが、その事を隠せばそのぶんあなたは人間関係で損をします。

高校生の頃の僕にとってのマジックは、ちょうど生活の20%ぐらいを締めているものでした。と、同時にその頃の僕はバレーボール部員でもあり当然、毎日練習がありました。
ある年末の事です。
マジックに熱中し、ファイナルズで勝ちたいと思った僕は、バレー部の練習を休み、毎日ファイナルズに向けて練習する事を決意しました。
そしてその事を、部員達に告げると、
「うわぁ、カードで練習休むのけぇ?」
「ええっ、お前遊びと部活どっちが大事なんだよ!」
「ききじきwww」
等、いかにも高校生らしい対応をされましたが、情熱を持ってさらに説明すると、
「きっと今の友晴くんにとっては一番大事な事なんだって、それってホント人それぞれだよね。みんな仲間なんだから応援してあげっぺよ。ねっ^^」
というマネージャーの一言からはじまり、ついには部員全員の理解を得る事に成功しました。
そしてそのファイナルズで優勝する事ができ、その後は部の練習、試合にも参加し、良好な人間関係を築けました。
もしもあの時、仲間にマジックの事を伝えていなかったとしたら今の自分はありません。
バレーボール部を辞めていたかもしれないし、両方とも中途半端になってしまっていたかもしれません。

他の例も挙げましょう。
世界を獲った男、三原槙仁氏をはじめとする、会社員プロプレーヤー達からは、
「会社の上司にマジックしてるの言ったら、海外戦行く時仕事休むの楽になったよ、今ではプロツアー行くのでこの日休みます!でOK。」
「会社でマジックとかプロツアーとかカミングアウトしたら毎回行けるようになった。」
といった話を聞く事があります。逆に、言ったら悪い方向に向かったという話は聞いた事がありません。

また、週末よく大会に出ている一般プレーヤーの友人はある時、恋人から不明な時間を疑われ、マジックについて説明したら、疑いもなくなり、より深い付き合いになったと聞きました。
同じようなケースで、
「ふーん。じゃあさ、あたしもそれやってみる♪」
と言って恋人もマジックを始めたという例もあります。


  ハッキリ言って、マジックを隠しているあなたは損をしています

上に書いた例以外にも、マジックを伝える事にはメリットがあります。
伝える事で、マジック仲間が増える可能性がもの凄く上がります。
伝えた相手が実はマジックをしている人かもしれないし、ルールが難しくて一度は辞めたけどまたやってみようかなという人が出てくる可能性があります。
さらに、あなたの話を聞いて興味を持ち、新たに始める人がいるかもしれません。
そうなったらそれはあなたにとって、そしてマジック界にとっても大きな収穫となります。
このゲームにおいて、トーナメントに出る人も、カジュアルに楽しむ人も、
仲間が多いのはとてもプラスな事です。

マジックを伝えない事で損をする。マジックを伝える事で得をする。
これは理解していただけましたか?
中には、何かしらの事情で自分には当てはまらないという方もいるかと思いますが、
大多数の方に当てはまる事だと考えています。


  相手がこれから持つマジックに対する印象は、あなたの伝え方次第

それでは、実際にどういった伝え方をするのが良いのかという事を話していきます。
どんな事を話す時でも同じですが、一番大事なのはあなたの伝え方です。
もちろん、あなたという人間がどう評価されているか、もし相手が初対面の方ならば、第一印象はどうかという事も関わってきますが、よほど酷くなければ大丈夫です。
マジックは世間一般での認知度がまだまだ低い為、難易度は優しくはありませんが、コツさえつかめば大丈夫です。厳しくはありません。
では、実際に伝え方の例を挙げて話を進めていきます。

「マジックはプレーヤーが魔法使いになって戦い、ライフ20点を削りあうゲームなんだ。デッキ組むのとかめちゃ面白いんだよ。そんでさっ!ライブラリーアウトさせた時の優越感がたまらないんだ!」

はい。大間違い。悪い例を最初に出してみました。
問題点を列挙します。
【1】魔法使いの下りですが、第一声では止めておいたほうが無難でしょう。
なぜなら魔法使い=気持ち悪いというイメージを持つ人が少なからずいるからです。
トンガリ帽を被り、うひょひょひょっと笑うじい様は、きっと皆さんの記憶の片隅に住んでいるはずです。
【2】ライフ20点。将棋を知らない人に駒の数や、持ち時間から伝えますか?
【3】デッキ、ライブラリー等の専門用語はもってのほかです。意味が分からない単語が多ければ多い程、その話に興味がなくなり、伝わりにくくなります。英語がほとんど分からない人が、英語の本が読めないのと一緒です。

伝える時に大事なのは、
聞き取りやすくハキハキと話す事、分かりやすく話す事、うまくまとめる事などありますが、
相手が最も興味を持ちそうな部分から話すのが最重要事項です。
特に、世界を動かしている「人」や「お金」はほとんどの人が興味を持っている事がらです。
「人」については幸い、マジックが凄い理由の最上位に、友人、知人の増え方がもの凄いという部分があります。トーナメント会場に行けば、そこは常にオフ会やパーティーのようなもの。
色々な人と出会えます。
「お金」で言っても、賞金があるゲームという事実は多くの人の興味を引きます。
他にも、かなり面白いゲームである、旅ができる、プロが存在する、対人関係や、英語の勉強や、投資の勉強になるなど、マジックには魅力的な要素が沢山あります。
とにかく、最初が大事です。相手が興味を持ちそうなアピールポイントから入りましょう。興味を持って聞いてさえ貰えればマイナスにはなりません。実際にマジックは素晴らしいのですから。

最後に、皆さんがマジックを伝える際にすぐにでも使える例をiいくつか紹介しておきます。

~僕がやってるマジックというカードゲームは
「日本中、世界中に人脈をつくるツールとしてかなり優れている上、凄く面白いゲームです。」

安定プランその1。


~僕がやってるマジックというカードゲームは
「ファンが多くて、賞金が出る世界大会も開かれ、プロも存在するゲームです。」

安定プランその2。


~僕がやってるマジックというカードゲームは
「まだ15年しか歴史がないのですが、世界中にプレーヤーがいて、賞金大会も毎週のように開かれています。」

ちょっと堅そうな人に対しては、「15年の歴史がある」という事を謙虚に提示。


~僕がやってるマジックというカードゲームは
「友達が沢山できる上、とても面白いゲームです。」

安定プラン1を柔らかくしたもの。


~僕がやってるマジックというカードゲームは
「将棋、麻雀と同じく、凄く頭を使うゲームです。ただ、使えるカードの種類がどんどん増えていくので常に新鮮な事が、それらにはない特徴です。」

定番。ゲームが好きな人に対して良さそうです。



僕が今回、このテーマで書かせていただいたのは、
よくある、マジック言う派?言わない派?という話題に常々疑問を感じているからです。
個人的には「言う」の1択だと考えていますので。
自分が好きでやっている事をなぜ伝えないのか。
マジックを伝えない事で損をする。マジックを伝える事で得をする。
という事についての考えは、書いた通りです。

マジックは教えてくれました。常に期待値が高いプレイをしていく事で勝利に近ずく事を。
実生活でも期待値が高いプレイをしてみてはいかがでしょう。
そしてもし、日本中のプレーヤーが全員、マジックについて話す事にブレーキを持たなければ、再びマジックブームになり、日本のマジック人口が大きく増える事も夢ではありません。
そうなれば地方の大会だってもっと人が来ます、都会はもっと盛り上がります。
かつては故郷の福島県いわき市ですら、60~80人来る大会がありましたが、
今では帰省した時マジックをする仲間、場所は完全になくなってしまいました。
とても寂しく思います。

伝えてください あなたのために マジックのために      


齋藤友晴

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