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【EX更新】ラッシュのGAPPO講座(SCG5k優勝デッキ編)

こんにちは。みなさん《彫り込み鋼/Sculpting Steel》は買い占めましたか?
『ラッシュ』こと高橋純也です。

今回はエクステンデッドの練習のために友晴宅を訪れたところ、友晴から「今、不況だなんだで暗いムードな日本社会に必要なのは、スタンダード記事なんだよ!!!」と力説され、カードゲームをしに来たのに突然日本の未来を背負わされてしまいました。

しかし、これからの日本を担っていくものの端刳れとして、この重大なお役目を放棄するわけにはいきません。がんばれニッポン。負けるなニッポン。

ってことで、駄文ですがどうぞ最後までお付き合い願えると嬉しいです。それでは、「GAPPO講座」の始まり始まりー。


■ExtExtExtExtExt・・・Std

GPやPTQのフォーマットがエクステンデッドに変わり、主なる戦略記事や大会結果もエクステンデッド一色に染まっている今日此の頃。「プロツアー京都」後のメタゲームの変化や新しいアーキタイプの出現等、スタンダード環境の新鮮な情報を手に入れる機会も減ってしまったのではないでしょうか?
 
「エクステンデッドも気になるけど、スタンダードの情報も欲しい~!」という貴方に、つい先日の3月28日に行われたStarCityGames.com $5,000 Standard Open tournamentの結果を基にした最新情報をお届けします。京都を終えて、何が変わったのか?今回はその優勝デッキを見ていきましょう。


■相も変わらずの「鉄壁」

「5C-Control」   Robert Graves

4 《羽毛覆い/Plumeveil》
2 《崇敬の壁/Wall of Reverence》

1 《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》
1 《真髄の針/Pithing Needle》
2 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
4 《砕けた野望/Broken Ambitions》
4 《謎めいた命令/Cryptic Command》
4 《エスパーの魔除け/Esper Charm》
3 《火山の流弾/Volcanic Fallout》
1 《野生の跳ね返り/Wild Ricochet》
2 《復讐のアジャニ/Ajani Vengeant》
3 《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
1 《苦悩火/Banefire》
2 《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》

3 《島/Island》
2 《滝の断崖/Cascade Bluffs》
2 《風変わりな果樹園/Exotic Orchard》
2 《秘教の門/Mystic Gate》
4 《反射池/Reflecting Pool》
3《沈んだ廃墟/Sunken Ruins》
1 《鮮烈な岩山/Vivid Crag》
4 《鮮烈な小川/Vivid Creek》
2 《鮮烈な湿地/Vivid Marsh》
4 《鮮烈な草地/Vivid Meadow》

Sideboard:
2 《真髄の針/Pithing Needle》
1 《崇敬の壁/Wall of Reverence》
1 《苦悶のねじれ/Agony Warp》
2 《糾弾/Condemn》
3 《否認/Negate》1 Volcanic Fallout
1 《火山の流弾/Volcanic Fallout》
1 《野生の跳ね返り/Wild Ricochet》
2 《噛み付く突風、ウィドウェン/Wydwen, the Biting Gale》
2 《神の怒り/Wrath of God》


「プロツアー京都」に引き続き、頂上を譲らなかった「壁クイックン」が堂々の1位でした。しかし、また勝ったーこのアーキタイプ強ーいパチパチパチ・・・・・・では終われません。何故なら、このデッキレシピは京都から現在の環境への変化を如実に表しているからです。優勝デッキのレシピの変化に注目して、環境の表情に注目してみましょう。

・《苦悶のねじれ》?
このデッキについて京都で証明された事は、ピンチになると上から根本原理が降ってくる事だけではなく、《羽毛覆い》が恐ろしいほど固くて死なない事でした。特に、京都の段階で情報が遅れていたプレイヤー達は《羽毛覆い》の採用すら知らずに戦闘を行っていた事は想像に難くないため、より一層の強さを誇っていたでしょう。

しかし、所詮はコンバット「トリック」。仕掛けが解ればその威力はガクッと下がります。何と言っても、たかが4・4の壁が飛び出てくる可能性があるだけなので、プレイングや構築で十分に対応する事が出来るのです。例を出すならば、4・4の《運命の大立者》と相討ちを取らせるようにプレイしたり、4・4では止まらないようなクリーチャーをデッキに投入する事(《包囲の搭、ドラン》や賛美の修正を受けた《ロウクスの戦修道士》)が挙げられます。

そして、そのような思考や構築を逆に狙い撃ちにするために選択されたのが《苦悶のねじれ》なのです。メタとは「より高次な」という意味で、今回のように「メタ」ってくる戦略を「メタ」る事を『メタメタゲーム』・・・とは呼びませんが、この戦略がピタリと嵌った対戦相手がメタメタになるのは間違い無いでしょう。

・《アラーラのオベリスク》?《野生の跳ね返り》?
《羽毛覆い》の話の中で、京都の段階では使われると予想されていなかった事が強さを助長させていた、という内容がありました。そして、この2枚についても同じ事が言えます。

オベリスクは多くのプレイヤーが警戒する《残酷な根本原理》のコストである7マナよりも軽い6マナであり、非常に対処されにくい類のパーマネントである事が強みです。ゲームが長引けば長引く程に効果を発揮するためコントロール戦においてこそ真価を問われるカードですが、ライフゲイン能力と除去能力の御蔭でビートダウンとのマッチアップにおいても頼れる存在です。《羽毛覆い》とパンプアップ能力による謎のリミテッド染みた地味なシナジーも狙えます。

跳ね返りは《謎めいた命令》《根本原理》を始めとする大味なカードから、壁に対する除去といった細かいカードにまで対応できる便利な代物です。《熟考漂い》のようなメインで動くアクションが限りなく減らされているため、フリーマナとして残す必要のある4マナを維持する事が容易となっている事も加点要素です。
 
・で?結局どう強いの?
大規模な大会を優勝している時点で「強い」デッキである事は認識されてはいても、「何に」「どうして」強いのか?という点については説明が為されていない事が多いため、あくまでも僕の個人的な見解を元に探ってみました。
 
まず、多色コントロールにしては所謂マスデストラクション(リセット呪文)が余り採用されていないのが特徴です。これは、最近のクリーチャーデッキの代表である白系トークンデッキに対する対抗策なのです。

一見すると大量にパーマネントを展開してくるデッキに対する全体除去は有効に見えるのですが・・・いや、事実有効である事は間違いが無いのです。しかし、トークン製造呪文や《目覚ましヒバリ》といった、最低でも全体除去と1対1交換を強制させられる呪文が多すぎるのです。

つまり、全体除去を打つ事で相手の攻め手を緩めようとしても、最低でも2スロット以上は入っているであろうトークン製造が継続した攻勢を維持させてしまいます。そのため、全体除去を打つ事は総じて後手を踏み続けること(全体除去の多くがソーサリーであるため、後続に対してインスタントで立て続けに対応する事はマナ事情的に難しい)に為りがちなのです。それでは、どうすればいいのでしょうか?

「壁クイックン」の出した答えは、名前通り「壁」を採用する事によってクロックを下げさせ、「壁」を数で乗り越えようと対戦相手が差し出してくる後続を能動的に対処(全体除去やカウンターによって)出来るというものでした。

ついでに言うと、奇跡的に《羽毛覆い》がフェアリーに対しても有効なカードであった事もこのデッキの強さを後押ししてくれています。ニガ花トークンが止まり、《霧縛りの徒党》が打ち取られ、《変わり谷》がモジモジします。

・このデッキの進む道?
もう既に片鱗は見え隠れしていますが、これからしばらくは5Cの同系対決を想定した構成へと変化していく事が考えられます。理由としては、このデッキが制作された段階では同系対決などは以ての外で、白系とフェアリーに勝つために作られたデッキだったからです。

要するに、同系対決の為のチューンあるいは戦略に関しては白紙に等しい状態であるため、白系やフェアリーの為のスロットを割いて同系を意識した作りへと変える必要性が生まれてくるのです。上記した「片鱗」というのは、《崇敬の壁》と《火山の流弾》の減少や《ジェイス・ベレレン》と《復讐のアジャニ》の採用などが挙げられます。特に《ジェイス》は同系対決において最も重要なキーカードであり、4枚が基本となる時代も来るかも知れません。

白系とフェアリーに対する勝率を保ちながら何処まで他に目を向ける事が出来るのか。このスロットのやりくりやジレンマもデッキ構築の楽しさの一つです。あなたならどう変えてみますか?



はるるコメント
このブログを始めた時からやってみたかった「自分のブログに仲間の記事」
楽しくご覧いただけましたでしょうか? 
僕は凄くいい記事だと思いました。
皆さんも『メタメタゲーム』を制し、メタメタ勝ちを狙ってみてはいかがでしょう?

たくさんたくさん、皆さんの役に立つものを書きたいという思いはあるものの
自分一人では限界があるし、色んな人の記事が読めたほうが面白いかなって思ってます♪
はるるーむには色々なゲストがやって来るので、
もし好評だったら、今後もちょくちょく色んな人が現れるかもしれません